東京高等裁判所 平成元年(行コ)2号 判決
横浜市西区南幸一丁目五番二七号
控訴人
株式会社鰻亭会館
右代表者代表取締役
足立昇
右訴訟代理人弁護士
布留川輝夫
横浜市中区下町三七番地九
被控訴人
横浜中税務署長
神蔵勉
右指定代理人
波床昌則
菊池敬明
柴田英雄
吉田良一
右当事者間の法人税の更正処分等取消請求控訴事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
一 当事者の求めた裁判
1 控訴人
(一) 原判決を取り消す。
(二) 被控訴人が昭和四六年一二月二五日付けで控訴人に対してした左の各処分をいずれも取り消す。
(1) 控訴人の昭和四一年二月一日から同四二年一月三一日までの事業年度分法人税の再更正処分(ただし、審査裁決で一部取り消された後のもの)のうち所得金額一一八万四二〇一円を超える部分、及び右法人税にかかる重加算税賦課決定処分(ただし、審査裁決で一部取り消された後のもの)
(2) 控訴人の昭和四二年二月一日から同四三年一月三一日までの事業年度分法人税の更正処分(ただし、審査裁決で一部取り消された後のもの)のうち所得金額一六六万三三七六円を超える部分、及び右法人税にかかる重加算税賦課決定処分(ただし、審査裁決で一部取り消された後のもの)
(3) 控訴人の昭和四三年二月一日から同四四年一月三一日までの事業年度分法人税の更正処分のうち所得金額二〇六万五七四一円を超える部分、及び右法人税に係る重加算税賦課決定処分
(4) 控訴人の昭和四四年二月一日から同四五年一月三一日までの事業年度分法人税の更正処分のうち所得金額二二六万四三九九円を超える部分、及び右法人税にかかる重加算税賦課決定処分
(5) 控訴人の昭和四五年二月一日から同四六年一月三一日までの事業年度分法人税の更正処分のうち所得金額三三二万五三一六円を超える部分、及び右法人税にかかる重加算税賦課決定処分
(三) 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
2 被控訴人
主文同旨
二 当事者の主張
当事者の主張は、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。
三 証拠関係
証拠関係は、本件記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるから、これを引用する。
理由
一 当裁判所も、控訴人の請求は失当として棄却すべきものと判断する。
その理由は、次に記載するほか、原判決理由説示のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決理由二1の(一)ないし(三)の事実の認定資料に、当審証人前田昌男の証言を加える。
2 原判決理由三1中の認定事実の認定資料に、成立に争いのない乙第四七号証の一、二、第五三号証の一ないし一一、第五四号証の一ないし六、第五五号証、弁論の全趣旨により成立の認められる乙第四五、第四六号証の各一、二、第四八ないし第五二号証の各一、二、方式及び趣旨により公務員が職務上作成したと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第五六、第五七号証(なお、乙第五六、第五七号証中の被質問者たる足立昇の署名指印ないし署名捺印が同人によつてなされたことは、当事者間に争いがない。)
並びに当審証人前田昌男の証言を加える。
3 原判決二一枚目裏末行の「第三七号証の一、二、」の次に「原本の存在及び成立に争いのない」を加える。
4 原判決二二枚目表末行から裏一行目の「別表2ないし7のとおりになつたこと」の次に「(別表2ないし7のとおり預金等が存在したことは、当事者間に争いがない。)」を加える。
5 原判決二二枚目裏三、四行目の「安田信託銀行横浜支店又は城南信用金庫蒲田支店」を「安田信託銀行横浜支店、同伊勢佐木町支店、城南信用金庫蒲田支店、東京相互銀行横浜駅前支店、駿河銀行横浜駅前支店等」と改める。
6 原判決二三枚目裏八行目の仮受金の次に、「及び未収事業税」を、同一〇行目の末尾に、「このようにして推計された各事業年度の簿外利益は、被控訴人の主張2(一)ないし(五)の各表のとおりであると認められる。」を、それぞれ加える。
7 原判決二六枚目表九行目と一〇行目の間に、次のとおり加える。
「4 そして、各事業年度について、控訴人の申告所得金額に前記簿外利益を加えると、課税すべき所得金額が算出されるが、本件各更正処分の所得金額は、いずれも右によつて算出された課税すべき所得金額の範囲内であるから、本件各更正処分は適法である。」
二 以上の次第で、控訴人の請求は理由がないから棄却すべきであり、これと同旨の原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 佐藤繁 裁判官 岩井俊 裁判官山中紀行は、転補のため署名捺印することがでない。裁判長裁判官 佐藤繁)